
- 「ピンとこない」は、まだ結論ではありません。緊張・比較・理想像・恋愛の型の違い・疲れのどれが混ざっているかを分けると、続けるか終えるかを落ち着いて決められます。
- 続けてよいのは、会うと楽で、尊重されていると感じ、嫌な点が見当たらないとき。反対に、会うのが苦痛、生理的に受け付けない、根本の価値観が対立している、のどれかがはっきりしていれば見直す時期です。
- 判断の区切りには、IBJの公式コラムの目安が使えます。仮交際はおよそ1ヶ月〜1ヶ月半、会う頻度は週に1回がすすめられ、4〜5回目のデートで真剣交際に進むかを見極める、という目安です。いずれもルールではありません。
- ときめきを待つより、確かめる。次のデートで何を見るかを決めてから会うと、「なんとなく」の迷いが判断の材料に変わります。
- 終えると決めたら、担当カウンセラーを通して伝えます。IBJのルールで、お断りの返事は担当カウンセラーを通すことになっています。当社では、そのやり取りの間に私たちが入ります。
「いい人だけどピンとこない」は、おかしな気持ちですか?
おかしな気持ちではありません。仮交際は、お見合いで良い印象を持った二人がデートを重ねながら相手を知っていく期間で、最初から気持ちが固まっている必要はないからです。困るのは「ピンとこない」をそのまま結論にしてしまうことで、中身を分けて見れば、続けるか終えるかは落ち着いて決められます。
仮交際は、相手を知っていく途中の期間
IBJ(日本結婚相談所連盟)の公式コラムでは、仮交際は真剣交際に向けてデートを重ねる「お試し交際」の期間で、恋人同士ではなく「お友達の関係」だと説明されています。お見合いは1時間前後で切り上げるのが目安なので、その場で分かるのは相手のごく一部です。その続きを知るための時間が仮交際だと考えると、2回目や3回目の時点で気持ちが盛り上がっていなくても、それだけで失敗とは言えません。
むしろ「いい人だ」と感じられているなら、仮交際に進んだ判断そのものは間違っていなかったということです。そのうえで「ピンとこない」が残っているなら、それは次に何を見ればよいかを教えてくれる手がかりになります。
「ピンとこない」は、まだ名前のついていない気持ち
「ピンとこない」という言葉は便利ですが、中身が見えません。緊張して自分らしく話せなかったのか、ほかの誰かと比べているのか、思い描いていた出会い方と違うのか、単に疲れているのか。どれなのかによって、次に取るべき行動はまったく違ってきます。
中身が分からないまま「なんとなく」で終えると、次のお相手とのあいだでも同じ迷いが繰り返されやすくなります。逆に、なんとなく続けてしまうと、決めきれないまま時間だけが過ぎていきます。どちらに進むにしても、まず気持ちに名前をつけるところから始めます。
この記事で扱うこと
この記事では、一人のお相手に対して「ピンとこない」と感じたときの気持ちの整理と、仮交際を続けるか終えるかの判断を扱います。仮交際から真剣交際へ進むときの全体の流れは仮交際から真剣交際への進め方に、複数の方と同時に仮交際を進めるときの考え方は仮交際を複数の人と並行するときの考え方にまとめています。
「ピンとこない」の中身は、どう分けられる?
中身は大きく5つに分けられます。緊張、比較、理想像、恋愛の型の違い、そして疲れです。緊張と疲れは自分の側のコンディション、比較と理想像は頭の中の物差し、恋愛の型は気持ちの育ち方の違いで、どれもお相手の良し悪しとは別の話です。
| 中身 | どんな状態か | 自分に問いかけたいこと |
|---|---|---|
| 緊張 | 会っているあいだ、自分の振る舞いばかりが気になっている | 回を重ねるごとに、自分は楽に話せるようになっているか |
| 比較 | ほかのお相手や、過去の誰かと並べて見ている | 比べる相手がいなかったら、この人にもう一度会いたいか |
| 理想像 | 「こういう人と、こう出会うはず」という絵と照らしている | その絵は結婚生活に必要なものか、始まり方の好みか |
| 恋愛の型の違い | 一目で惹かれる始まり方しか「好き」と思えない | 時間をかけて好きになった経験は、これまでになかったか |
| 疲れ | 誰に会っても気持ちが動かない | ほかのお相手にも、同じように何も感じていないか |
緊張と疲れ——自分の側のコンディション
パーソナルトレーナーとして24年、多くの方の身体と向き合ってきた現場で見てきた一般的な傾向として、人は緊張すると呼吸が浅くなり、肩が上がって姿勢が縮みます。その状態では、目の前の相手を感じ取るより、「変なことを言っていないか」と自分の振る舞いを点検するほうに意識が向きがちです。相手の良さを受け取る余裕がないまま、「ピンとこない」と感じている可能性があります。
疲れも判断を鈍らせます。疲れが溜まると判断が雑になる傾向は、トレーニングの現場でも繰り返し見てきました。仕事が立て込んだ週のデートや、お見合いが続いた後のデートで何も感じなかったなら、原因はお相手ではなく自分のコンディションにあるのかもしれません。どなたと会っても心が動かない状態が続くときは、婚活に疲れたときの考え方もあわせて読んでみてください。
比較と理想像——頭の中の物差し
仮交際中は、ほかのお相手とのお見合いや交際も並行できます。そのため、無意識のうちに「前の人のほうが話が弾んだ」「あの人のほうが気が利いた」と並べて見てしまうことがあります。比べること自体は自然ですが、ほかの人のいちばん良かった場面とだけ並べていると、誰と会っても見劣りしてしまいます。
理想像も同じ働きをします。「こういう雰囲気の人と、こんなふうに惹かれ合うはず」という絵を持っていると、目の前の人がその絵と重ならないだけで違和感が生まれます。その絵のうち、結婚生活に本当に必要なものはどれで、始まり方の好みにすぎないものはどれか。一度紙に書き出して分けてみると、物差しが少し現実に近づきます。
恋愛の型の違い——気持ちの育ち方は人それぞれ
一目で惹かれて、会うたびに気持ちが高まっていく。そういう始まり方でなければ「好き」だと思えない方もいれば、何度か会ううちに、気づいたら安心している、という育ち方をする方もいます。後者の育ち方をする方がときめきを基準にすると、気持ちが育ち始める前に「ピンとこない」と判断してしまうことがあります。
これまでを振り返って、時間をかけて少しずつ好きになったことがあるなら、今の「ピンとこない」はまだ途中経過とも考えられます。反対に、どれだけ時間をかけても気持ちが変わらなかった経験があるなら、その感覚も大切な判断材料です。どちらが正しいということはなく、自分の型を知っておくことが、迷いを減らす近道になります。
5つの中身は、どれもお相手の良し悪しそのものではなく、自分の状態や物差し、気持ちの育ち方に関わるものです。お相手を判断する前に、自分の側を先に点検する。それだけで、迷いの輪郭がはっきりしてきます。
続けてよいサインと見直すサインは、どう見分ける?
続けてよいサインは「会うと楽」「尊重されている」「嫌な点がない」の3つ、見直すサインは「会うのが苦痛」「生理的に受け付けない」「根本の価値観が対立している」の3つです。ときめきの有無ではなく、一緒にいるときの自分の状態と、お相手との関わり方で見分けます。
| 見るところ | 続けてよいサイン | 見直すサイン |
|---|---|---|
| 会うこと | 会うと楽。会った後に、疲れより安心が残る | 会うのが苦痛。予定が近づくと気が重くなる |
| 一緒にいるときの感覚 | 尊重されていると感じる。話を聞き、都合を気にかけてくれる | 生理的に受け付けない。近くにいること自体に拒否感がある |
| 価値観 | 嫌な点が思い当たらない。違いはあっても話せば済む程度 | 根本の価値観が対立している。どちらかが譲ると自分でなくなるほどの違い |
続けてよいサイン——「楽」「尊重」「嫌な点がない」
会うと楽だというのは、地味ですが大切なサインです。結婚生活は、特別な日よりも普通の日のほうがずっと長く続きます。一緒にいて疲れない、無理に話題を探さなくていいという感覚は、ときめきとは別の形で関係を支える土台になり得ます。
尊重されているかどうかは、小さな場面に表れます。こちらの話を最後まで聞いてくれるか、日程の都合を気にかけてくれるか、お店を選ぶときに意見を聞いてくれるか。「嫌な点がない」も、消極的に見えて実は貴重な状態です。気持ちが後から育つ余地が残っているということだからです。
なお、ここで挙げているのは「結婚を決める」ための基準ではなく、「もう一度会ってみる」ための基準です。真剣交際に進むかどうかは、この先のデートで結婚についての具体的な話をしながら見極めていきます。
見直すサイン——「苦痛」「生理的な拒否感」「根本の対立」
会うこと自体が苦痛になっているなら、無理に続ける理由はありません。緊張や疲れが原因なら、コンディションが整うにつれて和らいでいきます。けれど「この人と会うのがつらい」という気持ちが何度会っても変わらないなら、それは大切なサインです。
生理的に受け付けないという感覚も同じです。言葉にしにくく、わがままのように感じて自分を責めてしまう方もいますが、近くにいること自体に拒否感がある状態で、関係を深めていくのは難しいものです。それはお相手の人柄の良し悪しではなく、二人の相性の問題です。根本の価値観についても、話し合いで埋まる違いと、埋まらない違いがあります。どちらかが譲ると自分が自分でなくなるほどの違いなら、見直す時期です。
どちらにもはっきり当てはまらないとき
迷いが生まれやすいのは、表のどちらにもはっきり当てはまらないときです。嫌な点はない、でも会いたい気持ちも強くない。そんなときは、見直すサインが一つもないかを確かめてください。
一つもないなら、少なくとももう一度会ってみる価値があります。反対に、見直すサインが一つでもはっきりしているなら、「いい人だから」という理由だけで続ける必要はありません。いい人であることと、結婚相手として気持ちが向くことは、別のことだからです。
迷ったら、まず見直すサインに当てはまるものがないかを見ます。なければ、次のデートで様子を見る。はっきりしたものが一つでもあれば、続けないことも誠実な判断です。
何回会ってから決めればいい?
IBJの公式コラムでは、仮交際の期間は1ヶ月〜1ヶ月半が目安とされ、週に1回は会うことが推奨されています。そして4〜5回目のデートが、真剣交際に進むかどうかを見極めるタイミングとされています。どれもルールではなく目安ですが、「ピンとこない」を判断する区切りとしても使えます。
期間の目安と回数の目安は、おおむね重なる
週に1回のペースで会えば、4〜5回目のデートはお見合いから1ヶ月あまりの頃になる計算です(初デートの時期によって前後します)。仮交際の期間の目安(1ヶ月〜1ヶ月半)とおおむね重なるので、二つの目安は、判断の時期を考える手がかりとして一緒に使えます。1〜2回会っただけで「ピンとこない」と結論を出すのは、目安から見ると早い段階です。
もちろん、見直すサインがはっきりしている場合は別です。目安は「そこまで会わなければいけない」という決まりではありません。会うのが苦痛なら、回数に関係なく終えてかまいません。
回数ごとに確かめたいこと
同じ「ピンとこない」でも、何回目に感じているかで意味が変わります。回数ごとに、次の点を見てみてください。
- 1〜2回目:お互いの緊張がほどけてきているか。お見合いのときより話しやすくなっているか。
- 3回目前後:話題がプロフィールの確認から、普段の暮らし方や考え方に移ってきているか。
- 4〜5回目:結婚について具体的な話をしてみて、自分がどう感じるか。IBJの公式コラムでも、この時期にはお相手と結婚について具体的な話をしてみることがすすめられています。
回数を重ねても変化がまったく感じられないなら、その「ピンとこない」は途中経過ではなく、答えに近づいている可能性があります。そのときは、続けるか終えるかを担当のカウンセラーと一緒に整理してみてください。
期限はルール、回数は目安
一方で、IBJには期限のルールもあります。お見合い後の交際期間はお見合い日から3ヵ月間で、その期間内に成婚退会の意思表示をすることになっています。延長を希望するときは、担当のカウンセラーに相談します。
目安は自分のペースに合わせて読み替えられますが、ルールは守る前提のものです。迷いを先延ばしにしているうちに期限が近づく、ということにならないよう、どの回で判断するかを早めに決めておくと落ち着いて進められます。3ヵ月の使い方は交際期間が3ヶ月とされている理由と進め方で詳しく書いています。
ときめきを待つより、何を確かめればいい?
ときめきは、待っていれば来るとは限りません。それより、次に会うときに「何を見るか」を一つ決めてから会うほうが、迷いは早く整理できます。見る相手は、お相手だけでなく自分自身でもあります。
次のデートで見ておきたい3つのこと
- 会った後の自分の状態。帰り道に残っているのが疲れなのか、楽な気持ちなのか。
- 自分の話をしたときの受け止め方。少し踏み込んだ話をしたとき、お相手がどう聞いてくれたか。
- この人の前での自分。その自分を、自分で好ましいと思えるか。背伸びや我慢が続いていないか。
どれも、ときめきとは関係のない問いです。けれど結婚生活で毎日のように繰り返されるのは、こうした場面のほうです。
デートの形を変えてみる
毎回同じような店で向かい合って話すだけだと、お相手の一面しか見えません。昼の時間に会う、少し歩く、お店をお相手に選んでもらう。場面が変わると、会話の中身も表情も変わります。「ピンとこない」の原因が、お相手ではなくデートの形にあったと気づくこともあります。
六本木や港区で働く方は、仕事帰りの夕食が続きやすいものです。疲れた平日の夜ばかりに会っていると、お互いにいちばん余裕のない時間帯を見せ合うことにもなります。週末の昼に一度会ってみるだけでも、印象が変わることがあります。
振り返りを「感じたこと」の記録にする
IBJの「お見合いと交際のルール&マナー」では、仮交際が始まったら、IBJのシステムからデートの振り返りをレポートするよう案内されています。この振り返りを出来事の報告だけで終わらせず、「どこで楽だったか」「どこで引っかかったか」を書き残す場として使ってみてください。
時間がたつと細かな場面は思い出しにくくなり、印象の強かった場面だけが残りがちです。毎回の小さな記録があれば、4〜5回目で判断するときに、「なんとなく」ではなく積み重なった事実をもとに考えられます。担当のカウンセラーと話すときにも、気持ちの変化を一緒に読み解く材料になります。
「続けるか迷う」を、言葉にする
迷いの中身が分かれば、答えは出しやすくなります。
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終えると決めたら、どう伝えればいい?
IBJのルールでは、交際のお断りは担当カウンセラーを通じて行います。ご本人がお相手に直接伝える必要はありません。当社では、お断りのやり取りに私たちが間に入ります。
IBJのルールで決まっていること
- お断りの返事は、担当カウンセラーを通じて行う。
- 交際終了後は、速やかにお相手の連絡先を削除する。
- 交際が終了したお相手に、直接連絡をとるのは厳禁。
- 交際を承諾した後、正当な理由なく一度も会わずに交際を中止するのは、ルール&マナー違反(所定のキャンセル料がかかる)。
最後の一つは、「ピンとこない」と感じたのがお見合いの直後だった場合に関わります。お見合い後の返事は担当カウンセラーへ伝えるのがルールで、できれば当日中、遅くとも翌日の午後1時までに伝えるのがマナーとされています。迷いがあるなら、その返事をする前に相談してください。交際を承諾したのであれば、少なくとも一度は会ってみることが、お相手への礼儀にもなります。
伝える理由は「相手の欠点」ではなく「自分の気持ち」で
カウンセラーに理由を伝えるとき、お相手の欠点を並べる必要はありません。「お会いするたびに楽しかったのですが、結婚相手として気持ちが深まっていきませんでした」のように、事実と自分の気持ちで伝えれば十分です。お相手を否定しない言葉で整理しておくと、自分の気持ちにも区切りをつけやすくなります。伝え方の例はお見合い・交際の断り方にまとめています。
終えた後に、次へ持っていくもの
終えると決めたこと自体は、失敗ではありません。「ピンとこない」の中身を分けて考えた経験は、次のお相手に会うときの物差しになります。緊張だったのか、比較だったのか、根本の価値観の対立だったのか。担当のカウンセラーと一緒に振り返っておくと、同じ迷いを次に持ち越しにくくなります。
定期面談はスタンダードプランで毎月1回、ライトプランで2ヶ月に1回。面談のあいだの迷いは、どちらのプランでもLINEやメールでご相談いただけます。「この気持ちは緊張なのか、合わないのか」という段階から、一緒に言葉にしていきます。
続けるか終えるかを決めるのは、ご本人です。カウンセラーの役割は答えを出すことではなく、迷いの中身を一緒に言葉にすること。一人で考えると堂々巡りになりやすい迷いも、誰かに話すと整理しやすくなります。
よくあるご質問
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