
- 相手の条件を考える前に、自分は何に満たされるのかを言葉にする。元になる欲求があいまいなままだと、条件は不安の数だけ増えていきます。
- 5つの基本的欲求は、生存、愛・所属、力、自由、楽しみ。選択理論心理学の見方では、5つは誰にでもあり、人によって違うのはそれぞれの強さです。その組み合わせで、結婚生活で満たされる場面が変わります。
- 各欲求3問のセルフワークで、強さを仮置きする。点数よりも、答えるときに浮かんだ場面のメモが、条件づくりの材料になります。
- 強い欲求は、属性ではなく「関わり方の条件」に言い換える。自由の欲求が強いなら「一人の時間を尊重し合える人」のように書きます。
- 強い弱いに良し悪しはなく、自己採点は仮説。欲求の感じ方は状況でも変わるので、お見合いや交際の経験を通して見直していきます。
なぜ、相手の条件より先に自分を知るのか?
結婚相手の条件は、「自分が満たしたいもの」を相手の姿に置き換えたものだからです。元になる自分の欲求がぼやけたままだと、条件は増える一方になり、会ったときに何を確かめればいいのかも分からなくなります。先に自分を言葉にしておくと、条件を少なく、はっきりしたものにしやすくなります。
条件は、自分の欲求を置き換えたもの
「優しい人がいい」「安定している人がいい」。婚活を始めると、こうした希望がいくつも浮かびます。どれも自然な願いですが、言葉の奥には「自分が何に満たされ、何に消耗するか」という一人ひとりの違いが隠れています。
同じ「優しい人」でも、こまめに気にかけてくれることを優しさと感じる人もいれば、干渉せずに見守ってくれることを優しさと感じる人もいます。自分がどちらなのかを知らないまま条件を書くと、言葉は同じでも、思い描く相手の姿が食い違ってしまいます。
自分を知らないまま条件を決めると、起きやすいこと
- 条件が増えていく:何が本当に大切か分からないので、不安を埋めるように条件を足してしまう
- 条件が揺れ続ける:軸がないので、お見合いの結果が出るたびに条件を大きく入れ替えてしまう
- 会っても決められない:何を確かめに行くのかが定まらず、「いい人だけど、よく分からない」で終わりやすい
どれも、条件の立て方の問題というより、条件の手前にある「自分は何を求めているのか」が言葉になっていないことから起こります。
「条件の優先順位」の記事との違い
当サイトの婚活の条件設定と優先順位の決め方では、今ある条件に「なぜ?」を重ねて奥にある欲求を掘り出し、優先順位をつける手順を紹介しています。そちらは、今ある条件から下へ掘っていく方法です。
この記事は、反対の方向から進みます。まず5つの基本的欲求という枠組みで自分を見て、そこから上へ条件を組み立てていく方法です。条件がすでに手元にある方は優先順位の記事から、何を条件にすればいいか分からない方はこの記事から始めると、進めやすくなります。
順番は「自分の欲求」から「条件」へ。条件を先に決めて自分を合わせるのではなく、自分を先に知ってから、条件を言葉にします。
5つの基本的欲求とは?意味と結婚生活での表れ方
選択理論心理学では、人は誰でも「生存」「愛・所属」「力」「自由」「楽しみ」の5つの基本的欲求を持ち、その強さの組み合わせは人によって違うと考えます。どの欲求が強いかによって、結婚生活で満たされやすい場面と、苦しくなりやすい場面が変わります。
選択理論心理学の考え方
選択理論心理学では、人の行動は外から動かされた結果ではなく、自分の内側にある欲求を満たすために、自分で選んだものだと捉えます。
この見方に立つと、「結婚相手に何を求めているのか分からない」という迷いは、「どの欲求を満たしたいのかが、まだ言葉になっていない」状態だと言い換えられます。5つの欲求は、その言葉を探すための手がかりです。
5つの欲求の意味と、結婚生活での表れ方
| 欲求 | 意味 | 強い人の傾向 | 結婚生活で表れやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 生存 | 体と暮らしの安全・安定を守りたい | 先の見通しや備えがあると落ち着く。大きな変化には慎重 | 家計の管理や貯蓄、住まいの選び方、毎日の生活リズム |
| 愛・所属 | 大切な人とつながり、受け入れられていたい | 一緒に過ごす時間や、こまめなやり取りに安心を感じる | 連絡の頻度、休日を二人で過ごす割合、家族や友人との付き合い |
| 力 | 自分の価値や努力を認められたい、成し遂げたい、人の役に立ちたい | 目標に向かって努力し、成果や感謝を言葉で受け取ると満たされる | 仕事への打ち込み方、家事や育児を担ったときの声かけ、物事の決め方 |
| 自由 | 自分のことは自分で選びたい、束縛されたくない | 自分のペースや裁量を大切にし、一人の時間で気持ちを立て直す | 一人で過ごす時間、予定やお金の使い道を決める裁量、転職などの選択 |
| 楽しみ | 新しいことを知り、学び、面白がりたい | 好奇心が強く、新しい体験や趣味、笑いのある時間を大切にする | 休日の過ごし方、旅行や外食、趣味にかける時間とお金 |
表の傾向は一つの見方です。同じ欲求が強くても、どんな形で表れるかは人によって違います。自分に当てはまるところと、当てはまらないところの両方に目を向けてみてください。
どの欲求が強いかで、満たされる場面が変わる
例えば同じ「休日」でも、愛・所属が強い人には二人で過ごすことが満たしになり、自由が強い人には予定を入れない一日が満たしになります。楽しみが強い人なら、行ったことのない場所へ出かけることかもしれません。
暮らしの心地よさは、相手の条件だけでは決まらず、日々の中で自分の強い欲求が満たされているかどうかにも左右されます。だからこそ、条件を考える前に、自分がどの欲求を強く持っているかを知っておく意味があります。
自分の欲求の強さは、どう確かめる?
各欲求について3つの問いに答え、「強い・ふつう・弱い」の3段階で仮置きします。大切なのは点数をつけることではなく、答えながら思い浮かんだ具体的な場面を一行ずつ書き留めることです。その場面が、あとで条件を言葉にするときの材料になります。
セルフワークの進め方
- 紙かスマートフォンのメモに、5つの欲求の名前を縦に並べて書く
- 下の問いに、理想の自分ではなく、この1年ほどの自分の行動を思い出して答える
- 3問のうち迷わず「はい」と言えるものが2つ以上なら「強い」、1つなら「ふつう」、0なら「弱い」を目安に仮置きし、そう思った場面を一行添える
- 最後に、強いと思う順に5つを並べてみる
ここでの問いは、自分の傾向を考えるきっかけとして当社で用意したもので、後で紹介する欲求サーベイの設問とは別のものです。迷った問いは空欄のままにして、数日おいて戻ってきても構いません。
5つの欲求別・問いかけ
生存の問い
① 急な出費や体調の崩れに備えて、何かしら準備をしておかないと落ち着かないほうですか?
② 引越しや転職のような大きな変化は、時間をかけて慎重に決めたいほうですか?
③ 数ヶ月先までの予定や見通しが立っていると、安心して過ごせますか?
愛・所属の問い
① 誰とも話さない休日が続くと、寂しさや疲れを感じますか?
② 大切な人とは、用事がなくてもやり取りしていたいほうですか?
③ 家族や友人の集まりに声をかけられると、うれしく感じますか?
力の問い
① 頑張ったことに「ありがとう」「さすがだね」と言葉が返ってくると、力が湧きますか?
② 目標を立てて、達成に向けて動いている時間が好きですか?
③ 話し合いで自分の意見が通らないと、悔しさが残るほうですか?
自由の問い
① 予定を細かく決められたり、行動をいちいち確かめられたりすると、窮屈に感じますか?
② 疲れたときは、一人の時間をとると回復しますか?
③ お金や時間の使い道を、自分で決められることを大切にしていますか?
楽しみの問い
① 行ったことのない場所や、知らない分野の話に心が動くほうですか?
② 同じ過ごし方が続くと、物足りなさを感じますか?
③ 笑いや遊び心のある時間が、日々の支えになっていますか?
書き留めるときのコツ
答えに迷ったら、最近「疲れた場面」と「満たされた場面」を一つずつ思い出してみてください。疲れた場面の裏には満たされなかった欲求が、満たされた場面の裏には強い欲求が隠れていることがあります。
もう一つ、セルフワークは疲れていない日に取り組むのがおすすめです。私(岡本)はパーソナルトレーナーとして24年、多くの方の体の状態を見てきましたが、疲れが溜まっているときほど判断が雑になりやすい、という傾向を感じてきました。少し余裕のある時間を選んで、落ち着いて向き合ってみてください。
答えるのは「こうありたい自分」ではなく「この1年の自分」。理想の姿で答えると、条件も理想の自分に合わせたものになってしまいます。
欲求を「結婚相手の条件」に言い換えるには?
強い欲求を選び、それが満たされる場面を書き出し、相手とのあいだで必要なことを「〜し合える人」「〜を尊重してくれる人」という関わり方の言葉にします。年収や学歴のような属性に短絡させず、会ってから確かめられる形で書くのがポイントです。
言い換えの4ステップ
- 強い欲求を1〜2つ選ぶ:セルフワークで上位に並べた欲求から選びます。
- 満たされる場面を書く:「休日に予定を入れず、自分のペースで過ごせたとき」のように、具体的な場面で書きます。
- 二人のあいだで必要なことにする:その場面が結婚生活でも続くには、相手にどうあってほしいか、二人でどうしたいかを考えます。
- 関わり方の条件として書き切る:「一人の時間を尊重し合える人」のように、相手の属性ではなく、二人の関わり方の言葉で書きます。
欲求別の言い換え例
「優しい人」「安定している人」のようなぼんやりした希望も、欲求を通して言い換えると、会ってから確かめられる条件になります。
| 強い欲求 | ぼんやりした希望 | 言い換えた条件 | 確かめられる場面 |
|---|---|---|---|
| 生存 | 安定している人 | 将来のお金や暮らしの計画を、一緒に立てられる人 | 真剣交際で家計や住まいの話をするとき |
| 愛・所属 | 優しい人 | 一緒に過ごす時間を大切にし、連絡のペースを話し合える人 | 仮交際での連絡の取り方 |
| 力 | 尊敬できる人 | お互いの努力を認めて、言葉にして伝え合える人 | 仕事や打ち込んでいることを話したときの反応 |
| 自由 | 自立している人 | 一人の時間や、自分で決めたいことを尊重し合える人 | 会う頻度や予定の決め方を相談したとき |
| 楽しみ | 一緒にいて楽しい人 | 初めてのことを、一緒に面白がれる人 | デートの行き先を一緒に決めるとき |
真剣交際で話し合うテーマの全体は、真剣交際で話し合っておきたいことにまとめています。言い換えた条件を、どのテーマで確かめられるかを考えておくと、話し合いの準備にもなります。
属性に短絡させない理由
欲求から条件を考えると、つい年収や学歴、職業といった属性に置き換えたくなります。属性はプロフィールで一目で分かるので、判断が楽になるからです。
けれど属性は、その人と暮らしたときに自分の欲求が満たされるかどうかまでは教えてくれません。属性で条件を書くと、プロフィールを見た時点で確認が済んだ気になり、会ってから確かめるべき関わり方に目が向きにくくなります。条件は、会ったあとにこそ使える言葉で持っておきたいものです。
弱い欲求も、条件のヒントになる
見落としやすいのが、自分にとって弱い欲求です。例えば楽しみの欲求が弱い人にとって、毎週のように新しい場所へ出かけたい相手との暮らしは、楽しさより先に疲れが来るかもしれません。
だからといって、そうした相手を最初から外す必要はありません。「休日の過ごし方を、交互に決めるなどして歩み寄れる人」のように、弱い欲求からも関わり方の条件をつくっておくと、会ったときに確かめる視点が一つ増えます。交際の中で違いが見えたときの話し合い方は、交際中の価値観のズレとの向き合い方で紹介しています。
条件を、自分の言葉で決めたい方へ
欲求を「どんな人と、どう暮らしたいか」に言い換える作業は、一人だと迷いやすいものです。
30分の無料カウンセリングの中で、条件の考え方を一緒に整理します。
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セルフワークの結果は、どう受け止めればいい?
気をつけたいのは3つです。欲求の強い弱いに良し悪しはないこと。自己採点は仮説にすぎないこと。欲求の感じ方は状況によって変わること。結果は自分を決めつけるラベルではなく、確かめながら書き換えていくメモとして扱ってください。
強い・弱いに、良し悪しはない
愛・所属が強ければ人とのつながりを大切にしやすく、自由が強ければ自分の軸で物事を決めやすい、という面があるかもしれません。どの欲求が強くても、それはその人らしさの一部です。弱い欲求があることも、欠点ではありません。
「力が強いのは自分本位なのでは」「愛・所属が弱いのは冷たいのでは」と、結果を性格の評価に結びつける必要はありません。見たいのは優劣ではなく、自分の組み合わせです。
自己採点は「仮説」として持つ
セルフワークの結果は、自分で自分を見たときの見立てです。問いに答えるとき、人はどうしても「こうありたい自分」や「こう見られたい自分」に引っ張られます。
だからこそ結果は仮説として持っておき、お見合いや交際の経験で確かめていきます。例えば、自由が強いと思っていたのに、連絡が途切れた週に意外なほど寂しさを感じた、と気づくこともあるかもしれません。そうした発見こそが、自分を知るいちばんの材料になります。
欲求の感じ方は、状況で変わる
仕事が立て込んで自分の時間がとれない時期には、自由を求める気持ちが強く感じられるかもしれません。一人の暮らしが長く続いたあとには、誰かと一緒にいたい気持ちに気づくこともあるでしょう。今の生活で足りていないものほど、強く意識に上りやすいものです。
一度の結果で自分を決めつけず、活動の節目ごとに見直してみてください。グレースマリアージュ東京では、定期面談(スタンダードプランは毎月1回、ライトプランは2ヶ月に1回)の中で、お見合いや交際で気づいたことを持ち寄り、言い換えた条件を一緒に見直します。
相手を欲求で決めつけない
5つの欲求は、自分を知るための枠組みです。お相手に当てはめて「この人は自由が強そうだから合わない」と早々に線を引くと、会話や交際の中で見えてくるはずの姿を見逃してしまいます。
欲求の違う相手と、どう関係を育てていくか。その考え方は、選択理論心理学で考える婚活の相性で詳しく書いています。
セルフワークの結果は「ラベル」ではなく「仮説」。会って感じたことを書き足していくほど、自分の言葉に近づいていきます。
欲求サーベイでは、何がわかる?
欲求サーベイは、アチーブメント株式会社が提供する、選択理論心理学にもとづくサーベイです。5つの基本的欲求を「欲求・注力・現実」の3つの指標で数値化します。グレースマリアージュ東京では、ご入会の方への特典(入会金に含まれます)として、ご入会後に行います。
セルフワークとの違い
この記事のセルフワークは、自分の感覚で強さを仮置きするものです。欲求サーベイは、同じ5つの欲求を数値で見たうえで、担当カウンセラーと一緒に読み解き、お相手像に反映するところまでを行います。
サーベイで言えるのは、自分が何を大切にしているかを言葉にする手がかりになる、というところまでです。お相手との相性の良し悪しを判定するものではありません。高い低いに良し悪しがないのも、セルフワークと同じです。
受ける時期と流れ
- 時期:ご入会後に行います。30分の無料カウンセリングの中では行わず、単体での販売もしていません。
- Web受検:所要時間は約20分です。
- 読み解き:約90分。Zoom、または六本木での対面で、担当カウンセラーと結果を一緒に読み解きます。
- 反映:読み解いた内容を、お相手像に反映します。
結果の扱い
サーベイの結果は担当カウンセラー以外が見ることはなく、入会の可否や条件の判断には使いません。内容の詳しいご案内は、欲求サーベイのページにまとめています。
ご入会前の無料カウンセリングの中では、サーベイで何がわかるのかをご説明したうえで、条件の考え方について一緒にお話しします。まずはこの記事のセルフワークを試して、浮かんだ疑問をそのまま持ってきていただいても構いません。
よくあるご質問
条件の前に、自分を知る
「何を求めているのか分からない」からで大丈夫です。
30分の無料カウンセリングの中で、大切にしたいことを一緒に言葉にします。
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